先日、「ミステリーと言う勿れ」の映画を見ていたら、菅田将暉さん演じる主人公・久能整くんが、「自分が下手だってわかる時って、目が肥えてきた時なんですよ。本当に下手な時って下手なのかもわからない。ゆがんでたり間違ってたりはみ出してても気がつかない。それに気づくのは上達してきたからなんです。だから下手だと思ったときこそ伸びどきです。」ということを言っていて、まさにその通りだなと思います。
最近は、小学校でもタブレットが導入されて、子どもたちが字を書くということが極端に減ってきたせいでしょうか、まともな字が書けない、変な字を書いてしまう子どもが増えたように感じます。本人がそのことに気づいて、書道を習いたいと言ってくれるとよいのですが、多くの場合は自分の字が歪んでいることに気にもとめていません。できれば親御さんが気づいてあげてほしいと思うのですが…。
そういった中で、書道を習うと字が上手になるのはもちろんですが、自分で書いたものとお手本を見比べたりする中で、物の見方や考え方、課題に取り組む姿勢、そして、いわゆる「非認知能力」が養われていきます。そして、物の見方や正しく課題に向き合うことで、結果的に自然と字は上達します。
◆非認知能力
自己認識 … やり抜く力、自分を信じる力、自己肯定感
意欲 … 学習志向性、やる気、集中力
忍耐力 … ねばり強く頑張る力
セルフコントロール … 自制心、理性、精神力
メタ認知 … 客観的思考力、判断力、行動力
社会的能力 … リーダーシップ、協調性、思いやり
対応力 … 応用力、楽観性、失敗から学ぶ力
クリエイティビティ … 創造力、工夫をする力
ただし、書道は見る目の方が先に上達するので、久能整くんもいっているようにうまくなったと実感しにくいかもしれません。その時にぜひ思ってほしいと思います、「下手だと思った時こそ伸び時」だと。